甲賀流忍者朱印帳の御朱印頒布先のひとつ・水口町にある柏木神社(かしわぎじんじゃ)は、1300年以上前の創建と伝わり、地域の人々に長く崇拝されてきました。
甲賀忍者たちと深いつながりがあったとも言われていて、戦国時代は地元水口・柏木地域の甲賀衆たちがここで結束を固めた歴史も残っています。
本記事では歴史的な背景を踏まえつつ、柏木神社の御利益や御朱印、アクセス方法、そして近くのおすすめカフェについて、写真つきでわかりやすく紹介していきます。
甲賀流忍者朱印帳を使ってみた感想は”こちら”で紹介しています。
・柏木神社の基本情報
・柏木神社と甲賀忍者の関係
・柏木神社へのアクセス方法
・柏木神社の駐車場の場所や台数
・柏木神社の参拝ルートと所要時間
・柏木神社の御朱印を授かる場所と初穂料
・柏木神社近くのおすすめカフェ
柏木神社の基本情報
水口町にある柏木神社は、旧東海道沿いの静かな住宅街にひっそりと佇む歴史ある神社です。
創建は白鳳期(7世紀頃)とされ、「日吉宮」として大己貴命をお祀りしていました。
源頼朝が鎌倉の鶴ヶ岡八幡宮の御分霊を合祀した後は、江戸末期まで「若宮八幡宮」と呼ばれ、地域の鎮守社として信仰を集めていました。
中世には伊勢神宮の荘園として「柏木御厨(かしわぎみくりや)」が置かれる要地として機能していたほか、甲賀武士(忍者)たちの結束の場となっていたと伝えられています。

「御厨」とは伊勢神宮の神領で、神饌(神様へのお供え物)を調達する役割を持つ土地や施設です
江戸時代に入ると水口城の守護神として歴代城主の祈願所になり、明治4年に名称が現在の「柏木神社」に改められています。
創建 | 伝・白鳳元年(673年) |
主祭神 | 大己貴命(おおなむちのみこと) |
配祭神 | 誉田別命(ほんだわけのみこと) 川島皇子(かわしまのみこ) |
ご利益 | 病気平癒 厄除け 地域守護 商売繁盛 |
県指定有形文化財 | 絹本著色不動明王二童子像掛軸 |
社格 | 旧県社 |
所在地 | 滋賀県甲賀市水口町北脇187 |
TEL | 0748‑62‑3339 |
アクセス | ・JR草津線「三雲駅」からコミュニティバスもしくはコミタク(柏木エリア)利用 <コミュニティバス利用の場合> 「名坂日電前」下車、徒歩約10分 <コミタク利用の場合> 「林口バス停」下車、徒歩約3分 ※要予約 ・新名神高速道路「甲南IC」から車で約18分(10.9km) |
公式サイト | なし |
ここからは柏木神社の御利益や歴史的背景、忍者とのつながりについて解説していきます。
柏木神社の御利益
柏木神社の主な御利益は「病気平癒」「厄除け」「地域守護」「商売繁盛(特に芸能)」。
主祭神である「大己貴命(おおなむちのみこと)」は、別名「大国主命(おおくにぬしのみこと)」とも呼ばれ、日本神話では「国づくり」を担った中心的存在として知られています。

「縁結び」「開運」「五穀豊穣」「病気平癒」など、幅広いご利益があるのが特徴です
また、配祭神の一柱「誉田別命(ほんだわけのみこと)=応神天皇」は、源氏などの武家の氏神として信仰されてきた神様で「武運長久」「国家鎮護」「厄除け」といった御利益があるとされています。
柏木神社と忍者との関係
上記した通り、柏木神社と甲賀武士(忍者)はかなり関係が深いと言えます。
特に、柏木御厨周辺に勢力を持つ甲賀武士(忍者)=柏木三家(山中氏・美濃部氏・伴氏)の惣社として機能し、土地の管理や軍事的な連携において重要な役割を担っていたと伝えられています。

「惣社」としての役割は油日神社や大鳥神社と同じですね!
柏木神社に伝わる古文書として、大永2年(1522年)に柏木三家が「起請文(誓約書)」を納めた記録が残っています。
これは神事の際の取り決めに関するもので、甲賀武士(忍者)たちの横の連携や自治意識の強さがよくわかる貴重な資料のひとつです。
ちなみに、2023年のNHK大河ドラマ「どうする家康」に登場した甲賀武士(忍者)には柏木三家・伴氏の名前が。
伴与七郎(生没年未詳)は甲賀郡の武士、忍者。諱は資定。伴家は「甲賀五十三家」の内の名門「柏木三家」の一つに数えられる家柄で、伴中山城(現・甲賀市水口町伴中山)を拠点に勢力を張っていた。与七郎の詳細な経歴は不詳だが甲賀の国衆多羅尾家の家臣だったと考えられる。#どうする家康 pic.twitter.com/QKj3CQNwId
— 令和の土星人。’25 (@4568Ts) February 12, 2023

これで全国的に有名になったかもしれませんね!
次からは、柏木神社参拝を写真つきでレビューしていきます。
柏木神社参拝を写真つきでレビュー
実際に柏木神社を訪れてみると、想像以上に見どころの多い場所でした。
近くに国道1号が走り商業施設やホテルが多い環境ながら、この柏木神社の中だけは別空間。
木々に囲まれた境内は落ち着いた雰囲気に包まれ、拝殿や本殿、境内社などが静かに鎮座していました。

歴史ある神社ならではの空気感を味わいながら参拝できますよ!
ここでは柏木神社への「アクセス」や「駐車場の情報」「参拝ルート」「御朱印の有無やデザイン」など、実際に訪れて感じたことを写真付きで詳しくレビューし、これから訪れる人の参考になるよう紹介していきます。
柏木神社へのアクセス
柏木神社へのアクセスは車が便利ですが、バスを使って行くこともできます。
車の場合は、新名神高速道路「甲南IC」から約18分(10.9km)。

水口町の中でも混雑地域(信号も多い)を通るので、わりと時間が掛かってしまうんです⋯
他ICからの所要時間も大きくは変わらないので、高速料金で決めていいかもしれません。
- 新名神「甲賀土山IC」から約20分(約13km)
- 新名神「信楽IC」から約22分(約14km)
公共交通機関の場合は、JR草津線「三雲駅」からコミュニティバスとコミタクの2種類。
コミュニティバスだと「名坂日電前」バス停まで約20分、下車して徒歩で約10分です。
コミタク(柏木エリア)は乗車1時間前までに予約が必要ですが、より近い「林口バス停」で下りることができ、下車して徒歩3分ほどで柏木神社に到着します。
コミタクの予約詳細は、こちらを参照してください。

時刻表次第でコミタクを使うか決めるのがいいと思います!
またJR貴生川駅からバスを利用する場合は、コミュニティバス・八田線に乗車して「綾野バス停」下車、徒歩約17分(1.3km)です。
柏木神社の駐車場
柏木神社の駐車場は、参道手前の案内看板に従って入場してください。
パッと見た感じ駐車できるのは5~6台ですが、宮司さんに聞いたところ「空いているスペースならどこに停めてもいい」とのことでした。
区画されてないものの、たしかにすぐ横にも広々とした土地が⋯。

甲賀市観光ガイドに書いてある「普通車20台」は決して間違いではなさそうです
柏木神社の参拝ルートと所要時間
柏木神社の境内はそこまで広くないので、御朱印をいただく時間も含め、参拝の所要時間は20分程度となります。
駐車場から境内へ直接アクセスできますが、せっかくなので鳥居から入場しましょう。

神社の横を流れる水路の水はものすごくキレイ!
流れる音だけで癒やされます
鳥居手前の石造りの太鼓橋ができたのは元禄16年(1703年)。
鳥居&太鼓橋から後ろを振り返ると、一の鳥居が見えました。
一の鳥居の向こう側は旧東海道なので、正式な参道はあちらから続いているようです。
柏木神社の楼門
鳥居をくぐると、キレイに整備された参道が続いています。
参道の周りも高い木々に囲まれ、春でも赤く色づいた木がありました。
進むと、楼門の手前に手水舎があります。
続いては楼門。
この楼門は蒲生郡中山村(現・日野町中山)の金剛定寺の旧門だったもので、承応4年(1655年)に水口城代の山口但馬守によって修復されました。
また、柏木神社にもともとあった楼門は、天正8年(1580年)に安土城内の摠見寺に移築され、二王門(国の重要文化財)として現存しているとのことです。

織田信長さんに持っていかれたみたいですね⋯
柏木神社の拝殿・本殿・境内社
楼門をくぐると、左手に「回廊」、正面に「拝殿」が見えます。
入母屋造の拝殿は享保15年(1730年)に、社殿の中では最後に再建されています。

拝殿だけは藩主が加藤氏になってから再建されたものです
拝殿の奥には本殿が。
本殿は楼門とともに承応4年(1655年)に修復されています。
本殿→境内社の順番で参拝しました。
掲示されていた参拝方法は、一般的な「2拝2拍手1拝」です。
「稲荷大神」
「大行社」
柏木神社の御朱印
柏木神社の御朱印は「社務所」か「宮司さん宅(?)」で授かることができます。
書き置き型の御朱印で、初穂料は300円(税込み)です。
平日は基本的に社務所は開いていないようなので、柏木神社(0748‑62‑3339)に電話をして「御朱印希望」の旨を伝えてください。
↓社務所の写真↓
宮司さんのお宅(?)は、社務所の奥にあります。
私の場合は運良く電話がつながりましたが、神社に人がいない場合もあるので、現地からではなく訪問前の電話連絡をおすすめします。

他の授与物についてはおみくじ以外、確認できませんでした
柏木神社近くのカフェ「Lm’s」
参拝のあとにひと休みしたくなったら、柏木神社からまっすぐ徒歩2分の場所にあるカフェ「Lm’s」がおすすめです。
地元の素材を使ったランチやスイーツを楽しめる店で、参拝後はもちろん観光の途中に立ち寄るにもぴったりの場所です。

私自身訪れたのが数年ぶりで、立派なカフェができていて驚きました。
駐車場は店の前にあり、5台ほど駐車できます。
Lm’s店内の雰囲気
入口の感じから普通のカフェかと思いきや、Lm’sのコンセプトはなんと「爬虫類」!
飲食スペースは落ち着いたおしゃれ空間でしたが、奥の部屋に行くとたくさんの爬虫類や珍しい虫たちが出迎えてくれます。
ランチを待っている間や、食後にゆっくり楽しんでください。
恐ろしい注意書きの向こうにはタランチュラが。
名前は忘れましたが、世界最大級のタランチュラもいました。

スタッフのお兄さんがわかりやすく説明してくれますよ♪
Lm’sの食事・スイーツ・ドリンク
Lm’sでは、がっつり食事を摂ることもお茶だけ楽しむこともできます。
私はお腹が空いていたので食事とケーキ、コーヒーのセットを注文しました。
今回チョイスしたのは、ワンプレートランチ「ローストビーフ 2種類の手作りソース(1530円)」のタルトセット(+700円)。
醤油ベースのソースとヨーグルトソースがついています。
ローストビーフは柔らかく、ソースも絶品!
地元の野菜を使ったサラダも新鮮そのものでした。

個人的にはヨーグルトソースの酸味との相性が抜群でした!
デザートはショーケースから好きなものを選べます。
※もちろんテイクアウトも可能
私は下段にある「アメリカンチェリーのタルト」と「アイスコーヒー」をオーダーしました。

まずお皿とグラスのゴージャスさにビックリ!
貴族みたい(笑)
タルトは見ての通り、ビジュアルから最高です。
生地は外側サクサク・中しっとり、アメリカンチェリーは甘酸っぱくジューシーで噛みしめる度に広がる風味が幸せでした。
コーヒーのこだわりもすごく、マスター自ら厳選した「今日の豆」を自家焙煎。
その豆を丁寧に水出ししてくれたコーヒーは、雑味がなくまろやかな味わいでした。
紅茶にもこだわりあるようだったので、喫茶メニューの写真を掲載しておきます。

一切の妥協がないマスターの仕事には感動しました
ケーキ類の他に焼き菓子や葛を使ったアイスなども置いてあったので、お土産スポットとしてもおすすめのお店です。
最後にランチの種類と値段の一覧と店舗情報を紹介します。
- ローストビーフ 2種類の手作りソース 1530円
- 鯛のムニエル 1530円
- ガーリックトマトチキン 1480円
- タンドリーチキンオーバーライス 1430円
- 彩り野菜と牛すじカレー 1430円
- クロワッサンキッシュ 1430円
- ローストビーフ寿司 1280円
各ライス大 +100円
※ドリンクセット +350円
※ケーキセット +650円 タルトは+700円
●住所:滋賀県甲賀市水口町北脇184
●営業時間:11:00~17:00
●定休日:火曜・水曜・木曜
●TEL:080-5114-5320
●駐車場:5台
●座席数:15席(全席禁煙)
●支払い方法:現金・カード・QRコード
●URL:https://lms-cafe.com/index.html
まとめ
この記事では、柏木神社に実際訪れたレビューをお伝えしてきました。
●柏木神社の主祭神は「大己貴命(おおなむちのみこと)」
●柏木神社のご利益は
「病気平癒」「厄除け」「地域守護」「商売繁盛(特に芸能)」 等
●柏木神社は江戸末期まで「若宮八幡宮」と呼ばれていた
●柏木神社は地域の甲賀武士(忍者)=柏木三家の惣社
●柏木神社の敷地内に約20台駐車可能
●柏木神社参拝の所要時間は20分程度
●柏木神社の御朱印は書き置き式(300円)
●柏木神社近くには爬虫類カフェ「Lm’s」がある
御朱印をいただける社寺の詳細も訪問後にまとめていきますので、ぜひ御覧ください!