甲南町にある、福聚山 慈眼寺(ふくじゅざん じげんじ)ができたのは江戸時代、建立したのは甲賀五十三家の筆頭格である望月家でした。
今回は、甲賀流忍者朱印帳の御朱印頒布先 甲南町ラストとなる慈眼寺(じげんじ)についてレビューします。
ぜひ慈眼寺参拝前の予習としてお役立てください。
甲賀流忍者朱印帳を使ってみた感想は”こちら”で紹介しています。
・慈眼寺の基本情報
・慈眼寺と甲賀忍者の関係
・慈眼寺へのアクセス方法
・慈眼寺の駐車場の場所や台数
・慈眼寺の参拝ルートと所要時間
・慈眼寺の御朱印を授かる場所や納経料
慈眼寺の基本情報
福聚山慈眼寺(ふくじゅさんじげんじ)は臨済宗永源寺派に属するお寺で、開創は1650年。
もともとは天台宗の小さな寺「法蓮寺」があった場所に、甲賀百人組の与力・望月加左衛門により新しく建てられたのが始まりです。
最初に観音堂を建てようと考えたのは、当地の地頭・望月加左衛門のお母さんでした。
その後、乗り気だった村の人たちと力を合わせて本堂や庫裏を作成し、5年がかりで完成させたそうです。
1650年、永源寺からやってきたお坊さんを住職として迎えたことで、慈眼寺は正式なお寺としての道を歩み始めました。

慈眼寺は2020年に、日本遺産「忍びの里 伊賀・甲賀-リアル忍者を求めて」の構成文化財として追加認定を受けています
日本遺産認定に伴い、2022年には茅葺き屋根が美しくよみがえりました。
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屋根修復中の慈眼寺(2021年10月) | 屋根修復後の慈眼寺(2025年2月) |
寺院名 | 慈眼寺(じげんじ) |
山号 | 福聚山 (ふくじゅさん) |
開創・開基 | 慶安3年(1650年)・望月加左衛門 |
宗派 | 臨済宗 永源寺派 |
本尊 | ー |
所在地 | 甲賀市甲南町野田469 |
TEL | 0748-86-4813 |
拝観料 | 無料 見学自由 |
アクセス | 【車】 ・名神高速道路「甲南IC」から車で約6分 【電車・バス】 ・JR草津線「甲南駅」から徒歩15分 ・JR草津線「甲南駅」からコミュニティバス「環状線」乗車 「フレンドマート」バス停下車 徒歩1分 |
慈眼寺と甲賀忍者との関係
慈眼寺は甲賀忍者と深い関係を持つお寺です。
冒頭にも書いた通り、慈眼寺を創建した望月氏は甲賀五十三家(※)の筆頭格。
(※)甲賀忍者(甲賀武士)の名家で甲賀流忍術の中心となった家々
望月加左衛門が所属する「甲賀百人組」は、江戸幕府がつくった鉄砲を使う警備隊でしたが、メンバーは全員、伏見城の戦いに参戦、または討死した甲賀武士(=甲賀流忍者)の子弟で構成されていました。

加左衛門の父・津之助も伏見城の戦いに参戦していたそうです(討ち死にはしていない)
江戸時代末期、伏見城の戦いから250年目(1849年)には、幕府からお手当をもらった甲賀百人組の代表たちが慈眼寺含む5か所のお寺の墓参りに訪れ、慈眼寺には、
●望月加左衛門組10人の墓
●望月藤左衛門組10人の位牌
のふたつが納められたそうです。
お墓と位牌については、後ほど紹介します。
慈眼寺参拝を写真つきでレビュー
ここからは現地で撮影した写真とともに、慈眼寺参拝について詳しくご紹介します。
②駐車場
③参拝ルートと所要時間
④御朱印
順番に解説していきます。
慈眼寺へのアクセス
慈眼寺へのアクセスは、車の場合は新名神高速道路「甲南IC」から約6分(3.4km)。
電車だとJR草津線甲南駅から徒歩15分(1.1km)ほどで到着します。
まっすぐで平らな道が多いので、始めてでも迷いにくいルートになっています。
バスを使う場合は、甲南駅から最寄りのバス停「フレンドマート」までの所要時間は3分、バス停からも徒歩1分ほどで着きます。

ただし運行本数が2本(9:30と12:00)だけなので注意してください⋯
その他「コミタク」と呼ばれる完全予約制の乗合タクシーも使えます。
※乗る1時間前までに電話で申し込む必要有り
→(TEL:0748-86-4181/受付時間 7:00〜20:00)
慈眼寺の周辺はショッピングモールやドラッグストア、飲食店のほかコンテナホテルもあり、気軽に食べたり泊まったりできるのがいいところです。
続いては駐車場について。
慈眼寺の駐車場
慈眼寺の駐車場で確認できている場所は、山門の目の前にある小さな駐車スペース。
普通車だと2~3台停められそうです。
甲賀市観光ガイドには「数台駐車可」としか書いておらず、場所については明記されていませんが、この山門前を指していると思われます。
近くに砂利の駐車場と舗装された駐車場があったのですが、近所の方に聞いたところ、いずれも別施設の駐車場とのことなので、間違って停めないよう気をつけてください。
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駐車場がわからず、近くの商業施設に停めてしまう人もいるそうです⋯
当日、慈眼寺の関係者がいなかったこともあり、行事の際の駐車場所については確認できませんでした。
慈眼寺の参拝ルートと所要時間
慈眼寺の参拝は、短時間でもゆっくり楽しめるのが魅力です。
境内はコンパクトなので、御朱印をいただく時間を含めても、15~20分程度でじっくり見てまわれます。
見どころは、
●本堂(瓦葺屋根)
●クロガネモチの木
順番に紹介していきます。
慈眼寺の伏見籠城之士十人之墓
まず注目したいのは、伏見城の戦いで討死した甲賀武士たちの墓碑。
山門をくぐってすぐ右手にあります。
「伏見籠城之士十人之墓」と刻まれたこの石碑には、望月加左衛門組の同心10人の名前が記されています。

風雨に晒されて傷んでいた墓碑は、2017年に山門の横へ移されたそうです。しかも屋根つき!
本堂内には、上記した「望月藤左衛門組の位牌」もあるはずですが、残念ながら現物を見ることはできませんでした。
↓慈眼寺パンフレットに掲載された位牌の写真↓
上段が伏見城で討ち死にした方の名前、下段は縁者の名前とのことです。
慈眼寺の本堂
本堂内に立ち入ることはできませんが、復元された茅葺き屋根だけでも見る価値あり。

静かな佇まいに風情を感じますね
外から本堂内をのぞき見たところ、仏像は確認できないものの、須弥壇と「南無観世音菩薩」の文字を見つけることができました。
本堂の見学は予約(0748-86-4813)が必要。
ただ、位牌を見せてもらえるかまでは確認できませんでした。

もちろん、しっかりお参りもしましたよ!
外にある賽銭箱は新しく、最近できたものと思われます。
慈眼寺のクロガネモチの木
慈眼寺の外から見ても中から見ても、圧倒的な存在感を放つクロガネモチの木。
以前は周りにも別の木がありましたが、1本だけになって余計に目立ちます。
クロガネモチは名前の通り鉄のように硬い実をつけることから「強さや長寿の象徴」とされ、縁起がいい木として親しまれています。
下には「淡海の巨木・名木次世代継承事業 認定第50号」と書かれたプレートが。
「緑の募金」で滋賀県内の歴史ある樹木を守り、次の世代へ受け継ぐ取り組みで、滋賀県内には68本の認定された木があるとのこと。
慈眼寺の周りの木々は、宅地・道路整備のため軒並み切り倒されています。

クロガネモチだけはずっと残ってほしいものです
慈眼寺の他の見どころ
その他、境内で目を引いたものを紹介します。
まずは「鐘楼」
「大地蔵菩薩像」は背景の街並みとのコントラストが何とも⋯

昔は、地蔵菩薩像の向こう側に竹林がありました
「地蔵堂」
境内には檀家のお墓のほか、戦没者のお墓も並んでいます。
2024年にできたばかりの真新しい「納骨堂」
「東屋」です。柱には「和親亭」と書いてありました。
境内をくまなく見学したあとは、御朱印を授かります。
慈眼寺の御朱印を授かる場所・納経料
慈眼寺では本堂の玄関口で御朱印を授かることができます。
御朱印は書き置き方式で納経料は300円。
玄関口の横に小タンスが置いてあります。
御朱印は「パンフレット付き」と「パンフレットなし」の2種類ありますが、金額は同じ。
一番下の引き出しにお金を入れ、御朱印を一部いただいて帰りましょう。

書き置き方式なので山門さえ開いていれば授かることができますよ!
「大悲殿」の印から、やはり本尊は観音菩薩で間違いなさそうです。
パンフレットには、慈眼寺の歴史や墓碑・位牌の翻刻内容が詳しく書かれています。
資料としても価値があるので、御朱印と一緒にもらっていくことをオススメします。
まとめ
この記事では、慈眼寺を訪れたレビューをお伝えしてきました。
●慈眼寺の創建は江戸時代。地頭・望月加左衛門が建立
●臨済宗永源寺派
●忍者との関係はかなり深い
→望月氏は甲賀五十三家の筆頭格
→甲賀百人組は全員甲賀武士(甲賀流忍者)
●250回忌(江戸末期)のときに
「望月加左衛門組10人の墓」
「望月藤左衛門組10人の位牌」が納められた
●甲南ICから車で6分、JR甲南駅から徒歩15分とアクセス抜群
●駐車スペースあり。2~3台駐車可
●参拝時間は御朱印込みでも15~20分程度
●慈眼寺の見どころ
・伏見籠城之士十人之墓
・本堂(茅葺き屋根)
・クロガネモチの木
●明王寺の御朱印は書き置き方式で300円(パンフレットつき)
御朱印をいただける社寺の詳細も訪問後にまとめていきますので、ぜひ御覧ください!
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