甲南町にある清涼山 明王寺(せいりょうざん みょうおうじ)は、名前の通り『五大明王』を本尊とする天台宗のお寺です。
今回は『甲賀流忍者朱印帳』の御朱印集めで訪れた明王寺についてレビューします。
甲賀流忍者朱印帳を使ってみた感想は”こちら”で紹介しています。
・明王寺の基本情報
・明王寺と忍者の関係
・明王寺へのアクセス方法
・明王寺の駐車場の場所や台数
・明王寺の本堂と五大明王/ご利益
・明王寺の本堂からの景色
・明王寺の野外の仏様
・明王寺の書院と花手水
・明王寺の御朱印
・明王寺のかわいい授与品
・明王寺周辺のイベント
明王寺の基本情報
明王寺(みょうおうじ)は、延暦年間に本尊である五大明王を安置、弘仁2年(811年) 円瑞により開基(再興)と伝わる天台宗のお寺です。
明王寺公式ページの縁起には、やはり伝教大師・最澄の名前が。
最澄が延暦寺のお堂建立の用材調達のため甲賀に来ていたときに、地元民の間で悪病が流行。
ある晩『五大明王を安置すべし』という夢を見た最澄が、五大明王の御尊像を7日7夜の間に彫刻したところ悪病は平癒したのだとか。
その後、歓喜した地元民が報恩のため、堂宇を建立して五大明王を安置したのが明王寺の始まりとのことです。

櫟野寺・息障寺と同じく、本尊は最澄さんの作品なのですね
寺院名 | 明王寺 |
山号 | 清涼山 |
開創・開基 | (伝)延暦年間 伝教大師・最澄 (伝)弘仁2年(811年) 円瑞 |
宗派 | 天台宗 |
本尊 | 五大明王 (不動明王・降三世明王・軍荼利明王・金剛夜叉明王・大威徳明王) |
所在地 | 甲賀市甲南町磯尾1972 |
TEL | 0748-86-2572 |
拝観料 | 無料 見学自由 |
アクセス | 【車】 ・名神高速道路「甲南IC」から車で約5分 【電車・バス】 ・JR草津線「甲南駅」からコミタクで10分「明王寺口」バス停下車 ⇒「明王寺口」から徒歩約7分 |
公式サイト | https://seiryouzan-myououji.com/ |
明王寺と忍者の関係
ハッキリとした裏付けはないものの、明王寺と忍者は、歴史的なイベント『神君伊賀越え』に関してつながりがあったと考えられています。
【NinTube特別配信】
2/22(木)の忍者の日に「神君伊賀越え」の代表的な3ルートを3忍が同時に歩いて検証する生配信を行います。なんと当日はスタジオで「忍びの館」の直之進さん、忍道家の習志野青龍窟さんが、歴史や歩き方も解説してくださいます!乞うご期待!
👇URLhttps://t.co/KPnULiHkKU pic.twitter.com/VIpArBgih3
— Ninjack (@NinjackOfficial) February 17, 2024
『神君伊賀越え』は、1582年「本能寺の変」の後、徳川家康公が追っ手から逃れるため、摂津の堺(大阪)から甲賀(滋賀)・伊賀(三重)を経由して地元の三河(愛知)まで帰還を果たした逃走劇のこと。
逃走成功の裏に忍者の存在があったことは有名で、伊賀衆だと服部半蔵、甲賀衆だと多羅尾光俊の活躍がよく知られています。
辿ったルートについては諸説あるものの、明王寺に残されている史料の存在によって『明王寺を経由していた説』が有力視されているのです。
その重要な物的証拠が
昭和40年に発見されたとのこと。
将軍とゆかりがなければ貰えるものではないと思うのですが…。
読売新聞の取材に対して、当時の住職は
なぜ(位牌が明王寺に)あるのか不明。5代将軍綱吉の時代、当初のお堂から寺となり、税を優遇されるなど、裕福だったようです
と回答していました。

理由がなければ説明のつかない厚遇っぷりですよね
家康公がこの幸運を活かして天下人になったことから、明王寺は『道開き開運』のご利益があるお寺としても知られています。
もっと有力な証拠が揃えば、全国的に有名なお寺になるかもしれません。
明王寺参拝を写真つきでレビュー
ここからは、明王寺参拝について写真を交えて順番に紹介します。
高台を活かして境内は整備され、景観の美しさが際立っていました。
明王寺公式ページやインスタを見るとわかる通り、草木が生い茂る春や紅葉の季節の景観は最高のようですね。
この投稿をInstagramで見る

副住職によると『季節ごとの情緒を楽しめるのが魅力』とのことでした
②駐車場の場所と台数
③参拝ルートと所要時間
④入口~本堂・五大明王のご利益
⑤本堂からの景色
⑥野外の仏様
⑦書院・花手水
⑧御朱印
⑨授与物
実はこの日、同じ甲賀流忍者朱印帳の御朱印頒布先である息障寺を参拝したあとに明王寺を訪れました。
同じ甲南地区で距離も近いため、両寺は同日の訪問をおすすめします。
明王寺へのアクセス
息障寺と同様に、明王寺参拝も車が一番便利です。
新名神高速道路の甲南ICからは約5分、道も広くアクセス抜群。
息障寺&明王寺間のルートも掲載しておきます。
距離7.1km、実質11~12分で到着します。

最短ルートもありますが道が狭いのでおすすめできません
また、明王寺は最寄りのバス停から遠くないので、電車&バスでの参拝も可能です。
JR草津線・甲南駅からコミュニティタクシーで約10分(※)『明王寺口バス停』下車
※コミタクが最短ルートを走った場合の所要時間
バス停からは明王寺までは徒歩で7~8分(約600m)です。
予約電話番号:0748-86-4181
運賃は大人(中学生以上)一律250円
8時~18時台でそれぞれ1時間に1便ずつ運行(予約があれば)
詳細は、甲賀市のコミュニティバス・コミュニティタクシーについて
明王寺の駐車場の場所・台数
明王寺には、参拝者用の無料駐車場が完備されています。
区画線のない砂利の駐車場で、普通車なら12~13台程度は駐車可能と思われます。

お寺の案内によると大型バスも可能だとか
上にも駐車スペースがあるため、特別行事のある日以外は満車になることはなさそう。
入口からの順路です。
まず、明王寺入口の目印は『寺標』だけなので見落とさないよう注意しましょう。
細めの道を入っていくと途中で分岐するので、右へ100mほど進むと駐車場です。
駐車場入口へ到着。
2月は寂しかった駐車場のソメイヨシノですが…
4月になるときれいに咲き誇っていました!

最高のタイミングで訪問できました!
明王寺の参拝ルートと所要時間
明王寺参拝の所要時間は、ゆっくり見て回っても20~30分程度。
境内はそれほど広くないものの、随所に見どころがあるため、のんびりと過ごしたい方にはちょうど良いサイズ感だと感じました。
御朱印を書いていただく時間を含めても40分見ておけば十分です。
特に決まった参拝ルート(順番)はありませんので、私が訪れた場所を紹介します。

景観が素晴らしいのでお気に入りのスポットを探すといいかも!
明王寺の境内への入口(階段)
まずは駐車場から続くスロープ方向へ。
スロープを登り、左を向くと…
奥に階段、登り口の左手には石造りのお不動様が出迎えてくれます。

公式ページによると九州から来られたのだとか
30段ほどの階段を登ると、書院や庭園のある段に到着。
もうひとつ上の段に本堂が見えます。
続けて階段を登って、五大明王が安置されている本堂へ向かいます。
明王寺の本堂と五大明王
本堂へ到着すると御賽銭箱があるので、まずはここでお参りをしました。
その後『中へどうぞ』という親切な案内板に従って、靴を脱ぎ本堂の中へ。
五大明王とそれぞれのご利益
本堂内部の中央に、最澄作と伝わる五大明王が安置されていました。
滋賀県の天台宗のお寺で五大明王を祀っているのは、延暦寺と明王寺だけとのことです。

実際には室町期の作品なのだとか…修復かな?

明王様にはすべて見透かされている感じが…
自然と背筋も伸びますね
明王様ごとに役割やご利益があるので、それぞれ紹介していきます。
※不動明王から時計回りで紹介
【中央守護 不動明王】
大日如来の化身 道に迷う衆生の道を開き導く仏
ご利益 … 道開円満
【北方守護 金剛夜叉明王】
不空成就如来の化身 悪霊を降伏し災難を防ぐ仏
ご利益 … 厄災救護
【東方守護 降三世明王】
阿閦(あしゅく)如来の化身 欲を滅し知恵や金運をもたらす仏
ご利益 … 金運招福
【南方守護 軍荼利明王】
宝生如来の化身 はやり病を鎮め病魔より守る仏
ご利益 … 病魔退散
【西方守護 大威徳明王】
阿弥陀如来の化身 知恵にて戦略を立て必勝を得る仏
ご利益 … 百戦錬磨
五大明王の隣の間には、平安後期から鎌倉期の作品と推定される『十一面観世音菩薩立像』や小さな『阿弥陀如来像』も祀られていました。
明王寺の本堂からの景色がすばらしい
明王寺のなかでは本堂がある場所が一番高くなっているので、下の庭園や建物・駐車場まで一望できます。

私はここからの眺めがお気に入りです♪
本堂横の釣鐘堂には『時無し之鐘』が。
誰でも自由についていいと書いてあります。
山中に入ると石像と石が祀ってありました。

副住職に聞くと、いずれも『山の神様』とのことでした
明王寺の野外の仏様
本堂から降りた場所にある建物や庭園の間を抜けて奥へ進むと仏様に出会えます。
<水子供養地蔵群>
<延命地蔵菩薩>
明王寺では土に還る納骨を行っています。
墓石代や場所代、維持管理といった負担がなくなるのは助かりますね。
一霊あたり20万円(税込み)とのこと。
<馬頭観世音菩薩>
馬頭観音が安置されている場所では『ペットの葬儀や供養』が行われています。
明王寺の書院と花手水
池と庭園の奥に見える書院を見に行きます。
池のほとりには、さりげなく花手水が。

私の訪問時は『ツツジ』が生けてありました
お花が得意な住職の奥様が季節に合わせた花手水を、公式インスタにも投稿しています。
書院の中にももちろん生け花がありました。
情緒たっぷりです。
参拝と見物がひと通り終わったので御朱印を授かります。
明王寺の御朱印
明王寺の御朱印を授かる場所は、階段近くにある『庫裏』です。

表玄関のチャイムを鳴らしてから入りましょう!
私のときは副住職(住職の息子さん)が対応してくださいました。
明王寺の御朱印は直接書き入れてもらう『染筆方式』、志納料は300円です。
書の達人である副住職にいただいた御朱印には『五大尊』の文字が。

御朱印が乾くまでの間、有難いお話を聞くことができました!
明王寺の授与品がかわいい
明王寺には、御朱印以外にもご利益が感じられる素敵な授与品があります。
授与品が置いてある場所は、書院のそばにある『休憩所』
中に入ると、正面と左右に授与品が並び、手前には授与品の代金(志納料)を入れるボックスがあります。

基本の料金が決まっていて、志をプラスする形です
全体的に堅い感じが一切なく、かわいい系や温もりのある授与品が揃っている印象です。
副住職作の『木のしおり』は250円~。
一番人気はこのデザインです。

お地蔵さん?仏様?坊主??見る人が決めてくださいとのこと
他にも
副住職直筆の色紙(1000円~)と花の苗(250円~)
桜の木でできた火渡り念珠(3000円~)
護摩の炎お守り(800円~)
お香 びゃくだん(500円~)
パッケージされている『虫よけの匂い袋』『香り袋』『手箒』『メガネケース』『ハンカチ』『刺し子のふきん』などは、明王寺外部の方の作品のようです。
以前訪れたときは250円~となっていましたが、現在(2025年4月時点)は記載なし。
ひょっとすると、すべて買い手の志で金額を決める方式になったのかもしれません。

お土産にしても喜ばれそうなものばかりでした
なお、明王寺インスタには授与品専用のアカウントがあります。
⇒ https://www.instagram.com/myououji.tsurezure/
掲載されている授与品については、ここから取り寄せることができるので、興味がある方はぜひのぞいてみてください。
明王寺のイベントとインスタ人気
明王寺では、地域のつながりの強さを感じる定例のイベント『お花のお稽古』と『写経会』が行われています。
『お花のお稽古は』住職の奥様が月に1回開催していて、”流派にこだわらない自由なスタイル”が売りとのこと。
●日程 : インスタDM or 電話にて問い合わせ
●授業料: 4000円程度 ※花材により変更あり

お稽古ではモダンで華やかなアレンジも選べるそうです
お稽古は近くに住んでいないと参加できませんが、他に奥様のお花を楽しむ方法としてはインスタがあります。
明王寺には、お花専用のアカウント=『衣章』があり、境内の自然や「わびさび」を感じさせるお花の作品を日々投稿しています。
驚くのはそのフォロワー数で、なんと7万人!
遠方の方でもインスタであれば、素敵なお花を毎日見ることができますね。
この投稿をInstagramで見る
もうひとつのイベント『写経会』は、副住職が担当。
●日程 : 毎月第一 日・月・火曜日 13:30~
●参加費: 1,000円 /人 写経、お勤め、法話含む
写経に書いた願い事は祈願して、明王寺の護摩にて焚き上げてもらえるそうです。

↓のような、副住職直筆の和歌も解説付きでもらえます!
この投稿をInstagramで見る
まとめ
この記事では、明王寺に訪れたレビューをお伝えしてきました。
●明王寺の本尊・五大明王像は最澄作と伝わる
●徳川家康公が『神君伊賀越』の途中で明王寺に立ち寄った説がある
⇒忍者とのつながり有り
●明王寺&息障寺は同日参拝がおすすめ(甲賀流忍者朱印帳)
●新名神・甲南ICから車で5分とアクセス抜群
●無料駐車場あり。12~13台駐車可
●春は駐車場の桜がきれい
●参拝時間はゆっくりめ、御朱印込みでも40分ほど
●明王寺の見どころ
・五大明王立像
・本堂からの景色/四季の木々
・整備された庭園や花手水
●明王寺の御朱印は染筆方式で300円
●かわいい授与品がたくさん
⇒一部は明王寺インスタDMで取り寄せ可能
★通常 https://www.instagram.com/seiryouzan.myououji/
★お花 https://www.instagram.com/shiga.myououji/
★授与品 https://www.instagram.com/myououji.tsurezure/
御朱印をいただける社寺の詳細も訪問後にまとめていきますので、ぜひ御覧ください!
『甲賀流忍者朱印帳』を使ってみた感想|郵送での入手方法やサイズ感、持ち歩きのコツも紹介
【レビュー】油日神社はなんの神様?忍者との関係や御朱印・お守り・イベント情報もご紹介
【レビュー】櫟野寺(らくやじ)の御朱印は二種類でお守りが豊富!近くには美味しいCAFEも